LPICのレベル2はどんな資格?難易度や勉強法、取得することで活かせる仕事などについて解説
このページでは、LPICのレベル2の取得を検討している方に向けて、以下の3つの内容を説明します。
システム開発に興味関心のある方なら、LPICという名前を聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。
LPICは、IT資格の一種で、難易度がレベル1とレベル2、レベル3の3段階に分けられています。
LPICとはどんな資格?
LPIC(エルピック)の正式名称は、Linux技術者認定試験(Linux Professional Institute Certification)で、LinuxというOSを扱えるエンジニアかどうかを測るために実施される試験です。
世界共通基準で実施される国際的な試験で、LPICが取得できれば、日本だけでなく海外の企業でもエンジニアとして活躍できます。
そもそもLinuxとは、オープンソースのOSのことで、コンピュータを操作するために必要なOSを無料かつ自由にカスタマイズできるという特徴を持っています。
LinuxはIoT家電などを動かしたり、サーバーを立ち上げたり、新しいOSを開発したりでき、使用用途の幅広さに注目するエンジニアが多いです。
実際、日本企業の7割がLinuxを導入しており、インターネットサーバーの5割以上はLinuxが使われています。
Linuxを扱えるようになると、多くの企業で重宝され、しばらくの間はLinuxに置き換わる開発言語も出てこないと考えられています。
また、LPICは世界的に活躍できるエンジニアになるために、保有しておくとメリットが大きいです。
気になる方は、LPIC取得に向けて学習をはじめてみてください。
総合的なLPICの資格について知りたい方は、こちらの「LPIC(エルピック)とは?資格や試験内容を解説!」を合わせてご覧ください。
LPICが活かせる仕事は?
LPICが活かせる仕事としては、以下の職種や業務があげられます。
- Linuxエンジニア
- 日常の業務
Linuxエンジニア
LPICは、主にLinuxエンジニアとして活躍する際に、持っていると有利な資格として知られています。先程も軽く触れましたが、LinuxエンジニアとしてLinuxを使う場面としては、以下のような業務内容があげられます。
- サーバーの開発
- クラウド基盤、仮想サーバーの開発
- スーパーコンピュータ、スマートフォンのシステム開発
- 家電製品のIoTの対応
Linuxひとつでできることが多く、汎用性が高いです。
そして、多くの企業で、Linuxはビジネスの中心に位置づけられるOSになっています。
そのため、Linuxエンジニアになれば、幅広い仕事に関わることができ、多くの経験が得られます。
基礎が身についたら、自分の専門分野を作ることで、世界的に活躍するエンジニアへと飛躍が望めます。
Linuxには多くの可能性が秘められているため、同じLinuxエンジニアでも、できること、持っている知識・経験はまるで違います。
世界で唯一無二のエンジニアとして活躍したい方に、LPICの取得はおすすめです。
日常の業務
Linuxは、必ずしもLinuxエンジニアでないと使うことがないものではありません。
Linuxが動かせると、あらゆる分野の仕事のちょっとした場面に活かすことができます。
例えば、Linuxを使ったツールを業務のために使用していて、突然正しく操作できなくなり業務がストップしてしまったとしましょう。
本来なら、システム関連の会社に連絡をして、エンジニアに来てもらって直してもらう必要があります。
ただ、これだと時間的コストと金銭的コストがともにかかってしまい、損失が大きいのです。
しかし、自分がLPICを取得していたら、ツールのエラー状況を見て、その場で大きなコストをかけずに修正することが可能です。
会社としても、円滑にツールを運用し続けられ、ストレスフリーで業務に集中できます。
また、働いている会社で、システム担当になれるため、ある程度自分の地位を確立できます。
特に、エンジニアになりたいという考えがない方でも、現在の仕事に、少しでも活かしたい考えがある方なら、LPICの取得に挑戦してみてください。
LPIC レベル2の難易度や受験資格は?
LPICのレベル2について、以下の基礎知識を詳しく解説していきます。
- 難易度・合格率
- 受験資格
- 学習時間の目安
- 受験方法
- 受験にかかる費用
難易度・合格率
LPICには、3つの難易度が設けられていて、レベルの高い試験に合格していると、できることがかなり増えます。
LPICのレベル2の難易度としては、その道のエンジニアになりたい方なら、合格しておきたいレベルです。
LPICの合格率は明確に公表されていませんが、受験者数と合格者数は公表されているため、そこから計算すると概ね30%前後と考えられます。
しっかり要点を押さえて学習を進めていれば、十分に合格できる難易度といえます。
エンジニアとして普通に業務をこなすことを目指すのであれば、LPICのレベル2まで合格していれば十分です。
ちなみに、試験の得点範囲は200から800点で、正解率70%前後にあたる500点程度取れると合格できます。
配点は問題によってバラツキがあるため、配点の大きな問題を落とさないように注意してください。
受験資格
LPICのレベル2は誰でも受験できるわけではありません。
LPICは下位のレベルに合格していないと、その上のレベルは受験できない仕組みとなっているため、レベル1に合格していないとレベル2は受験できません。
まずはレベル1の合格を目指して、基礎の学習に専念しましょう。
学習時間の目安
合格を目指し学習を進めていくなら、どのくらいの学習時間が必要かについては、個人差はありますが、3ヶ月から半年学習を続けていれば合格できると考えられています。
しかしこれは、レベル1に合格してからかかる学習時間の目安であるため、レベル1からはじめる場合は、1年くらいを見積もっておきましょう。
とはいえ、効率的な学習が進められれば、それだけ早く合格できます。
1日でも学習時間を無駄にせずに、目的意識を持って学習に取り組むことが大事です。
受験方法
LPICのIDを取得し、ピアソンVUEで受験予約すれば受験できます。
すでにレベル1を受験している方は、IDを作成していると思われますが、そうでない方はIDの発行を進めておきましょう。
試験の直前に予約できますが、計画を立てて堅実に学習を進めていくためにも、余裕を持って受験予約をしておいたほうがよいです。
受験にかかる費用
LPICのレベル2の受験費用は、合計で33,000円かかります。
LPICのレベル2を取得する場合、201と202の2つの試験に合格する必要があり、それぞれ16,500円かかります。
ほかの資格試験等と比べると、やや高い金額ですので、確実に合格できるように準備を整えておきましょう。
LPIC レベル2の勉強におすすめの参考書
LPICは試験合格対策の参考書や問題集の種類が多くて、どれを選べばいいか迷ってしまう方もいるかもしれません。
いくつもある参考書や問題集の中でも、以下の2つを活用して、学習を進めていくのがおすすめです。
- Linux教科書 LPICレベル2 Version4.5対応
- 徹底攻略LPIC Level2 問題集[Version 4.5]差分対応徹底攻略シリーズ
Linux教科書シリーズは、Linuxに関する知識を基礎的なところから体系的にまとめている参考書として知られています。
わかりやすくまとめられているところが高く評価されていて、参考書についてはこの1冊あれば十分です。はじめは軽く一通り読んで、それから問題集に取り組んで、わからないところをこの参考書でチェックするといった使い方ができるとよいですね。
問題集については、徹底攻略LPICシリーズが使いやすいです。
問題を解くうえで、重要なポイントがそれぞれまとめられているため、どこに視点を置いて問題を解いていけばいいのかが実戦形式でわかります。
1回だけやって終わりにせず、問題がすべて解けるまで、何周も繰り返し使ってみてください。
LPIC レベル2におすすめの勉強法
LPICレベル2を受験するために、特別意識するようなことはありません。
テキストと問題集をうまく活用すれば、自然と成果が出てきます。
ただ、LPICを受験する方の多くはエンジニアとして仕事をする社会人であり、働きながら学習するとなるとかなりの労力が必要です。
そのため、LPICの学習の仕方というより、エンジニア資格で共通する効率的な勉強方法を押さえることが大切になってきます。
それを踏まえると、以下のような勉強法がおすすめです。
- 反復学習を行う
- ハンズオン学習を行う
- 自習用にフリースペースを活用する
- eラーニングを受講する
反復学習を行う
1回ではどうしても身につかないものも多いので、どの分野でも基本となる反復学習を意識して勉強に取り組むとよいです。
繰り返し同じ問題を解いていくことで、記憶を紐づけやすくなり、解き方を身につけられます。
なかなか覚えられない分野は、繰り返し問題を解いてみてください。
ただ、反復学習をしても、その目的を明確にしていないまま、ただ繰り返し問題を1から解くだけでは、意味がありません。
まずは、得意分野と苦手分野を明確にして、苦手分野だけに絞って学習を進めてみてください。
合格基準より少し高い点が取れるまでは、苦手意識を忘れないようにするとよいです。
ハンズオン学習を行う
ハンズオン学習とは、自分の身体を使って実践的な学習を行う勉強法のことです。
いわば、「習うより慣れよ」というスタンスです。ハンズオン学習を行うと、LPICを取得してから仕事で活用する際に、戸惑うことなく身につけた知識やスキルを活かせるようになります。
疑似的なLinuxの開発環境を用意して、学習した知識通りに作業できるかを試していきます。
最初は時間がかかるため集中できる環境が必要なので、スキマ学習ではできない方法ですが、時間と場所を確保して少しずつ試してみてください。
もし余力のある方は、自分でLinuxを扱うクラウド環境そのものを自分で立ち上げると、一気に力をつけられます。
インターネット上で調べれば、いくつも無料利用できるクラウド環境が用意できますが、機能制限や容量制限、使用期限などが決まっていて使いづらいこともあります。
そういった制限を気にせずに使える点も踏まえて、自力で調べながらクラウド環境を開発したら、それが経験として実際の現場で活きてきます。
無理のない範囲でできそうな方は、クラウド環境の開発からはじめてみてください。
自習用にフリースペースを活用する
会社に自習用のフリースペースがある場合は、積極的に活用していくことをおすすめします。
システム系の会社となると、常に新しい知識やスキルが求められるため、資格取得の斡旋をしてくれるところも多いです。
そのサポートの一環として、会社内に自習用にフリースペースを用意しているところもあります。
学習意識の高い人材の集まる空間で学習すると、モチベーションが上がりやすく、学習の結果が出しやすいですので、自習用フリースペースでの学習は、おすすめです。
また、学んだことがインプットされるかどうかは、メンタル的な部分も関係しています。
周りに同じ挑戦をしている人材がいると、負けられない意識が働き、プラス思考で学習に取り組めるようになって、効果的にインプットできます。学習の場所選びも意識してみるとよいでしょう。
eラーニングを受講する
費用はかかりますが、eラーニングを受講することによって、確実に合格に近づきます。
独学で勉強して知識をつけられる方もいますが、初めて学ぶ分野では、それまでの自分の知識や経験では理解が追いつかないこともあります。
しかし、eラーニングで専門知識を持つ方から指導してもらいながら学習することで、寄り道せずに真っすぐ合格への近道を通ることが可能です。独学に不安のある方は、eラーニングもチェックしてみてください。
まとめ
LPICはLinuxを扱う技術者を証明する資格で、レベル2の資格を保有していると、今後エンジニアとして現場で活躍できます。
また、エンジニア職でないとしても、システムツールの修正などが行えると、会社に貢献できます。
Linuxは、今後もあらゆる現場で活用される汎用性の高いOSであるため、身につけておくと何かと便利です。
LPICのレベル2の取得に興味がある方は、テキスト学習やハンズオン学習をうまく使いこなして、苦手分野を克服する意識で学習に取り組んでみてください。
時間を有効活用するには、eラーニングでの講座受講もおすすめです。
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