Linuxでプログラミングをするメリットは?よく使われる言語や勉強方法も紹介
Linux(リナックス)は、システム開発、特にサーバー構築やOS開発で役立つOSとして知られています無料で使えて、自由にカスタマイズできるなどのメリットがあるため、企業・個人を問わず人気です。
本記事では、Linuxをこれから勉強したいと考えるエンジニア志望の方に向けて、Linuxでプログラミングをするメリット・デメリット、Linuxを学習する時のおすすめの方法などについて解説します。
この他、Linuxの基礎知識やLinuxでできること、Linuxで使われるプログラミング言語などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Linuxでプログラミングをするメリット
この項目では、Linuxでプログラミングをするメリットをご紹介します。
- セキュリティ性が高い
- 周辺機器を使えるように自動で設定してくれる
- バージョンが古いパソコンでも使える
セキュリティ性が高い
Linuxを使う大きなメリットとして、セキュリティ性の高さが挙げられます。
一般的なコンピューターウイルスはユーザー数が多いWindowsを狙うため、Linuxはある意味ノーマークなのです。
そのため、Linuxを狙うウイルスは多くないといえます。
また、Windowsを狙うウイルスがどれだけ増えてもLinuxは感染させられることがありません。
これより先にLinuxを狙うウイルスが増えるという可能性はありますが、現段階ではWindowsと比べてLinuxは安全に利用できるといえます。
周辺機器を使えるように自動で設定してくれる
Linuxは周辺機器を使えるように自動で設定してくれるのも強みです。
Linuxは高いハードウェア認識機能があるため、パソコンやタブレットなどのデバイスの構成を自動で認識できます。
そのため、わざわざWindowsのようにドライバーを使って設定する必要がありません。
周辺機器を手に入れたその日から自動的に利用できるように設定できます。
バージョンが古いパソコンでも使える
Linuxはバージョンが古いパソコンでも利用できます。
例えば、Windows98のようなかなり古いバージョンのパソコンであってもインターネット操作などは問題なく行えます。
また、Windowsのようにウイルス対策ソフトのインストールが不要であるため、その分動作が軽くパフォーマンスも落ちません。
マイクロソフトからのサポートが終了したWindowsを持っている方は、OSをLinuxに替えることをおすすめします。
Linuxをインストールすれば、そのパソコンをよみがえらせることができるでしょう。
Linuxでプログラミングをするデメリット
一方、Linuxでプログラミングをするデメリットには以下のようなものが存在します。
- メーカーからのサポートがない
- システムや用語が独特
- 種類が多いので最適なものを見つけるのに時間がかかる
メーカーからのサポートがない
Linuxにはメーカーからの正式なサポートがありません。
Windowsのような有料の手厚いサポートもないため、不明な点はすべて自分で調べて解決する必要があります。
ただ、Linuxディストリビューションの種類によってはユーザーグループやコミュニティが存在するため、トラブル時に相談できます。
システムや用語が独特
WindowsユーザーがLinuxに変更した時、用語やシステムに違和感を抱くことが多い傾向にあります。
使い勝手の異なるLinux独特のシステムや用語に慣れるまで時間がかかります。
さらに、Linuxは開発や扱いの基本的な考え方についても独特なので、この点をしっかり押さえておきましょう。
種類が多いので最適なものを見つけるのに時間がかかる
Linuxは、Linuxディストリビューションの数が膨大であるため、自分に合ったものを見つけにくいというデメリットがあります。
特にLinuxを初めて利用する方は、自分がやりたい作業が明確でなければどれが自分に合うか迷ってしまうでしょう。
Linuxディストリビューションを選ぶ時は、ある程度時間に余裕を持って探すことをおすすめします。
この他、Linuxディストリビューションの大半は英語圏で開発されることが多く、日本語対応に弱いというデメリットも挙げられます。
トラブル解決のためのマニュアルやネット上の記事も英語で書かれているものがほとんどなので、日本語変換システムを利用する必要があります。
日本語変換システムの精度もより自然な日本語に近くなってきましたが、日本語対応が万全なWindowsと比べると違和感があるでしょう。
このLinuxディストリビューションについては、後の項で詳しく紹介します。
Linuxの習得は「抵抗感をなくすこと」がカギ!
Linuxは自由度が高く便利ですが、これまで触れたことのない方、コマンド操作に慣れていない方は抵抗を感じることもあるのではないでしょうか。
しかし、Linuxの学習を効率良く進めるためには、とにかく実際に手元でコマンドを打つことが大切です。
書籍やオンライン学習サービスなどをうまく活用しながら積極的にLinuxに触れていきましょう。
- Linuxの基礎から応用までを幅広い技術を習得したい!
- スキマ時間を利用して効率良くLinuxを学びたい!
- LPICやLinuCなどLinuxに関する資格を取得したい!
上記のようなお悩みを持っているエンジニア志望の方であれば、「TECHHUB(テックハブ)」を活用してみてはいかがでしょうか。
eラーニングでエンジニアのスキルが学べるTECHHUBは、インフラ系ITエンジニアの入門者向け基礎講座から、専門分野の向上を目指す資格対策に役立つeラーニングサービスです。
現役講師による監修教材により、エンジニア初心者の方から上級者に至るまで、幅広いスキルアップをアシスト。
Linuxをはじめ、CCNAやAWSプラクティショナーなどエンジニアのキャリアアップに役立つ資格を手広くサポートします。
eラーニングサービスの詳しい情報は、以下のページから専用ページをご参照ください。
無料で開始できるお試しプランや受講できるコース内容について、わかりやすく解説をしています。
ITインフラ資格の取得を目指すeラーニング講座!TECHHUB(テックハブ)のページはこちら!
Linuxでのプログラミングを学習するのにおすすめの方法
この項目では、Linuxでのプログラミングを学習するのにおすすめの方法をご紹介します。
オンライン学習サービス・書籍などで学習する
Linuxの学習は、先に挙げたようなオンライン学習サービスで勉強する方法がおすすめです。
これらの動画教材や学習サービスは初心者向けの教材が多いので、まずはこれらを利用して基礎を身につけましょう。
また、Linuxディストリビューションは種類が多いので、ソフトウェアが足りないなどの理由で起動しない時に自力での解決は困難です。
そのため、Linuxにある程度慣れるまでは、動画教材や学習サービスを利用しながらの学習が安心です。
技術者認定資格LinuCを取得する
LinuCはNPO法人「LPI Japan」が主催しているLinux技術認定資格です。クラウド時代の即戦力として認められる技術を証明できます。
LPI JapanはNEC・富士通・日立などの国内大手のITベンダーがスポンサーです。
これら大手のITベンダーがスポンサーになっているということは、LinuCがそれだけ評価される資格であることの証といえます。
LinuCは、日本国内でLinuxエンジニアとしての技術を証明するにふさわしい資格といえるでしょう。
また、LinuC対策の勉強を行うことでLinuxのプログラミングの勉強にもつながります。
そもそもLinuxとは?
以下ではエンジニア初心者の方に向けて、Linuxの基礎情報について触れておきましょう。
Linuxとは、WindowsやMac OSのようなOS(オペレーティングシステム)のことです。
ここでいうOSとは、ソフトウェアとハードウェアをつなぐ役割を持つソフトウェアのことをいいます。
例えば、WordやExcelなどのソフトウェアで作成したテキストや表は、ハードウェアに記録・保存されます。
記録・保存されたデータは、当然のように後日、閲覧・編集が可能です。
このようにデータに対して記録・保存・閲覧・編集などを行えるのはOSが機能しているからです。
OSがなければ、パソコン・タブレット・スマートフォンなどのデバイスはただの箱といっても過言ではありません。
Linuxは、パソコン用のOSとして開発されました。
しかし、現在ではサーバー、スーパーコンピューター、携帯電話・テレビなどの組み込みシステム、といったさまざまなシステムで使われています。
また、自分で開発したアプリを公開する時にVPS(Virtual Private Server 仮想専用サーバーのこと)を借りることがありますが、LinuxはこのVPSに標準的にインストールできます。
Linuxは有料であるWindowsやMacとは違い、無料で使えるオープンソース(世界中に公開されているソースコードのこと)であることも大きな特徴です。
ソースコードが公開されているため、Linuxをベースとした開発・改良が簡単に行えて、再配布も容易です。
そのため、今も国内外の優秀なエンジニアやプログラマーの手によってカスタマイズされた新しいLinuxが再配布されています。
Linuxは民間の有志の手によってアップグレードされ、進化し続けるOSなのです。
Linuxの種類
Linuxはおおむね2種類にわかれます。
- Linuxカーネル
-
メモリー管理やデバイスドライバーなど、OSの根幹を担う部分
- Linuxディストリビューション
-
OSの動作をサポートするソフトウェア
元の開発者であるリーナス・トーバルズ氏が開発した「Linuxカーネル」と、Linuxカーネルを基本にしてさまざまな企業や団体が独自に開発した「Linuxディストリビューション」です。
Linuxディストリビューションの代表例として、Amazon Web Servicesを安定・安全に利用するために提供されているAmazon Linuxや、ワープロ・メールソフト・サーバーソフトウェア・プログラミングツールなどのあらゆるソフトウェアを含むUbuntuなどがあります。
Linuxでできること
ここでは、Linuxでできることについてご紹介します。
オープンソースなので自由に使える
Linuxの最大の強みは「無料のオープンソースであること」です。
オープンソースは、無料のフリーソフトのように単に無料のソフトを提供するのではなく、「利用者みんなでより良いものを作っていこう」という目的意識を共有しています。
そのため、元の開発者がアップデートやアップグレードを行わなくても、利用者たちが自由に、ある意味勝手に改良版を作っていくのです。
利用者によってアップグレードされることにより絶え間なく進化し高性能になる。
そして、高性能であるがゆえに利用者がさらに増える。このポジティブループが続くかぎり、Linuxはこれからも進化し続けるでしょう。
また、Linuxは先述のとおり、WindowsやMacのようにインストール費用がかかりません。
インストールが無料であるため、パソコン本体さえ用意できれば簡単にネットサーフィンができます。
WordやExcelの機能を使いたい時でも互換用のソフトウェアが別途用意されています。
WindowsやMacを使い慣れた方は最初に操作する時に少し違和感を覚えるでしょう。
しかし、最新のLinuxをインストールして操作に慣れてしまえば、無料で使用できるOSが手に入るのでお得です。
新しいOSを作り出せる
携帯用のOSとしてAndroidとiOSが世界のシェアを二分していますが、実はこのAndroidはLinuxをベースにして開発されています。
Androidの開発元であるGoogleは、Linuxをベースにして開発したため開発スピードも早く、起動も安定するOSを開発できたのです。
このように、Linuxの基本部分をうまく活用できれば自分で新しいOSを開発することも可能なのです。
中身をいじることができる
先述のとおり、LinuxはオープンソースであるためOSの中身を好きにいじることができます。
自分の好きなようにコードを書き換えられるので、OSの中身や開発について深く学べます。
万が一、まずい書き換えを行ってパソコンにアクセスできなくなるといった事態になっても特段問題ありません。
Linuxは無料なので、またインストールすればいいだけです。
失敗して壊してしまっても、いつでも再インストールできるので失敗前提で勉強できます。
Linuxでよく使われるプログラミング言語は?
この項目では、Linuxでよく使われるプログラミング言語についてご紹介します。
C/C++
C/C++はプログラミング言語の中でも歴史が古く、人気の高いコンパイル言語(変換が必要な言語)です。
アプリケーション開発や組み込み系開発など、さまざまな開発現場で利用されています。
また、C/C++は、C言語ベースとして拡張された言語で、オブジェクト指向という概念があるのが大きな特徴です。
オブジェクト指向は、最初にプログラムに登場する要素をひな形として定義しておき、ひな形をもとにして作り出した複数のオブジェクト間でのやり取りをプログラミングしていく、という考え方です。
用意しておくひな形には、アクションや内部状態を定義しておけます。
例えば、犬のひな形を作りたい場合は、内部状態として「体力や気分」、アクションとして「吠える・お座りをする」などを定義できます。
Java
JavaもC/C++と同様に、人気の高いコンパイル言語です。
歴史が古く、オブジェクト指向の概念を持っているところもC/C++と共通しています。
JavaはJVM(Java Virtual Machine)という仮想の動作環境を用意して動かすという特徴があり、オンラインで動作するWebシステムの開発でよく使われています。
かの有名なTwitterを開発する時に使われた言語もJavaです。
Python
Pythonはコードがシンプルでわかりやすいので人気があります。
プログラミング言語の歴史の中では、比較的新しいスクリプト言語です。
PythonはJavaと同じくWebシステム開発の現場でよく使われ、近年ではAI開発のような新しい分野の開発にも利用されています。
AI開発で利用されていることから、今後注目度が高まる言語と見られています。
逆にいえば、これらのプログラミング言語をすでに習得している方であれば、Linuxを効率良く学べるでしょう。
JavaやPythonなどのスキルを有している方であれば、エンジニアとしてのキャリアアップにつなげるため、Linuxを学んでみてはいかがでしょうか。
Linuxは将来的な可能性を秘めたOS
今回はLinuxのメリットをはじめ、具体的な学習方法や基礎知識について詳しく紹介しました。
Linuxは、WindowsやMacなどには知名度や普及率の点で劣るOSです。
一方、優れた汎用性から、システム会社がソフトウェア開発に用いるケースも多く、古くからエンジニアに人気の高いOSとしても認知されています。
LPIC、LinuCなどのLinuxに関する勉強については、TECHHUBのeラーニングで学習することがおすすめです。
より詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。