LinuCの資格取得におすすめの参考書は?おすすめの勉強法や試験概要について紹介
「エンジニアになりたい」、「昇給や転職に有利なエンジニア系の資格を取りたい」と考えたことはありますか?
エンジニアは売り手市場で、なかなか採用ができないと言われるほど人気の職種です。
エンジニアなどのIT技術者が取得する資格は、一般的にあまり耳にすることがなく、どのような資格があるのかわからないという方も意外と多いのが現状です。
そこで今回は、OS開発やサーバー管理に不可欠なLinuxに関わる資格、LinuCの試験概要やおすすめの勉強法、参考書について紹介します。
そもそもLinuxとは?
Linuxとは、MacやWindowsなどと同じOSの一種です。OSとは、パソコンやスマホなどのデバイス、アプリを動作させるためのソフトウェアのことです。
Linuxは当初はパソコン用に作られたOSですが、現在はサーバーを始めスーパーコンピューターなどの様々なシステムで使用されています。
しかし、普通に生活している中でLinuxというOSを利用する機会はそうそうありません。
一般的に、Linuxを使用している人、勉強する人は、下記のような仕事を行っている場合が多いでしょう。
- OSの開発を行う人
- 大規模な基幹システムの開発者、運用者
- 家電やデバイスなどのエンジニア
- ネットワークやデータベースに関わるITサービス従事者、エンジニア
つまり、これらの仕事をしたい! と考えた時に、Linuxの知識を習得することは不可欠と言えます。
Mac OSやWindows OSなどに比べて自由度が高く、基本的に無料で使えるのも、Linuxの特徴です。スペックの低いパソコンなどでも動作します。
LinuCとは?
前述の通り、Linuxは自由度が高く、サーバーを自由に構築することができるため、サーバー開発や、大規模システムの開発をするに際に多くの場で使用されているOSです。
エンジニアを目指すのであれば、Linuxの知識の習得は避けては通れません。
そしてLinuCは、Linuxに関する専門知識やスキルを証明してくれる民間資格です。
2020年の4月に出題範囲などに見直しが入り、抜本的な改訂がされ「Version 10.0」という新たな内容に生まれ変わりました。
具体的には、試験内容がクラウドを支える仮想化技術領域に拡大されたほか、オープンソース文化への理解についての項目が追加されました。
システムアーキテクチャの知見に関する要素が導入されたのも特徴です。
この改訂によって、Linuxでのサーバー構築や運用に関わるエンジニアだけではなく、クラウドシステムやアプリ開発に関わるエンジニアにとっても有効な資格になりました。
LinuCの難易度について
LinuCには難易度が設定されており、レベル1〜3までの3段階に分かれています。
2020年4月に改訂がされた「Version 10.0」が適用されているのは、レベル1とレベル2の試験です。
レベル1
LinuCのレベル1の試験は実際の物理や仮想環境のLinuxサーバーの構築や運用に関する資格で、LinuCの中では最も難易度が低い資格です。
レベル1の取得で、仮想空間を含むLinuxシステムの基本操作とシステム管理が行える技術者として認定されます。
このLinuCのレベル1の資格を取得するためには、101試験、102試験という2つの試験に合格する必要があります。
どちらの試験から受験しても問題ありませんが、レベル1に認定されるためには5年以内に2つの試験に合格しなければいけません。
もし片方を取得していても、もう片方の合格が5年以内にできなければ合格した方の試験もリセットされてしまいます。
LinuC レベル1の勉強期間は、おおよそ1〜3ヶ月ほどと言われています。
レベル2
LinuCのレベル2の試験は、仮想マシンやコンテナを含む、Linuxでのネットワークの設計や構築に関する資格です。
仮想空間を含むLinuxでのシステム設計やネットワーク構築で、アーキテクチャに基づいた設計や導入、保守、問題解決ができる技術者として認定されます。
こちらのLinuC レベル2もレベル1と同じく、201試験、202試験という2つの試験に合格する必要があります。
レベル1の資格がなくても受験、合格すること自体は可能ですが、認定日から5年以内のレベル1の資格を保有していないと、レベル2の試験に合格しても認定が受けられません。
LinuC レベル2の勉強期間は、おおよそ3〜6ヶ月ほどと言われています。
レベル3
LinuCのレベル3の試験には「300」、「303」、「304」の3つの試験があり、そのうちのいずれか1つの試験に合格すれば、LinuC レベル3の認定を受けることができます。
ただ、その3つの試験はそれぞれ別の専門試験のため、“1つの試験に合格すればレベル3すべてにおいての認定を受けられる”というものではありません。
「300」、「303」、「304」の試験は、それぞれ認定がされ、すべての試験を受けることも可能です。
また、レベル2の認定がされていないとレベル3の認定は受けられません。
このレベル3の認定があれば、各分野の最高レベルの専門家という証明になります。
試験の内容は以下の通りです。
300試験
認定を受けることで、Linux、Windows、Unixが混在するシステムの設計や構築、運用、保守ができる専門的エンジニアであることが証明されます。
303試験
認定を受けることで、セキュリティレベルの高いシステムの設計や構築、運用、保守ができる専門的エンジニアであることが証明されます。
304試験
認定を受けることで、クラウドシステムの設計や構築、運用、保守ができる専門的エンジニアであることが証明されます。
LinuCについての詳細は、以下記事に詳しくご紹介しているので併せてご覧ください。
LinuC合格のためのおすすめ勉強法とポイント
LinuCの試験に合格するためには、どのような勉強法があるのでしょうか? ここでは大きく3つの方法を紹介します。
スクールに通う
LinuCが学べるスクールに通うことで、分からない部分は講師にすぐに質問し、その場で解決ができるので、効率的な勉強が可能です。
また、決まった日時にスクールに通い、講座によっては課題の提出もあるため、独学で勉強するのが苦手という人におすすめです。
スクールの中には、「LPI-Japanアカデミック認定校」の認定を受けているスクールもあります。
この認定校制度は、ITの教育機関や企業の人材育成部門と一体となり、質の高いLinux/OSSとオープンテクノロジー教育を普及させようという取り組みから生まれたものです。
このアカデミック認定校になるには、LPI-Japanが定めた学習環境基準をクリアする必要があり、認定を受けたスクールは、認定試験の合格を目指す人に質の高い教育ができる環境を持っていることが証明されているため、スクールを選ぶ時の基準にしてみましょう。
オンライン講座で学ぶ
オンライン講座は、好きな時間、好きな場所で勉強することができるのが大きなメリット。
社会人などは、通学のためにまとまった時間を取ることが難しいですよね。
そんな人でも、オンラインであれば質の高い講座を受講することができます。
また、近くにスクールがないという場合でも、通学と変わらないクオリティーの講座を受けられるのは、地方在住で資格の認定を目指す人にとっても大きなメリットではないでしょうか。
スクールに通う場合に比べてコストが低いこともメリットとしてあげられます。
ただし、パソコンの環境設定受講環境を自分自身で整える必要はあるため、全くの初心者という方の場合はその点が少しネックになるかもしれません。
独学で学ぶ(参考書、スマホアプリ、動画等)
自分自身で参考書を購入したり、オンライン教材を利用したりして独学で学ぶという方法もあります。
独学で学ぶことのメリットは、やはり費用が抑えられることです。
スクールにもよりますが、オンライン講座やスクールを利用すると数十万単位で費用が発生するのに対して、独学の場合は参考書や教材の購入だけで数万円の費用に抑えることが可能です。
自分自身でしっかりと試験までのスケジュールや時間管理ができる人にはおすすめの方法です。
また、勉強内容を好きなようにカスタマイズできるため、苦手な分野に時間を使う、すでに知識として取得している部分はさらっと勉強するなどの調整が可能なことも独学の魅力です。
しかし、自分に合う参考書の選別や勉強のペース配分が苦手な人には独学はハードルが高いかもしれません。
一人で勉強することで、最新の情報が得づらいのもデメリットと言えるでしょう。
独学で勉強する場合は、数ある参考書の中から、できるだけ自分に合うもの、最新の試験の傾向などが分かるものを選ぶことが重要になってきます。
LinuCの勉強におすすめの参考書
ここではLinuCの勉強におすすめの参考書を紹介します。どれも初心者向けで、「そもそもLinuxのことをよく分かっていない!」なんて人にもおすすめです。
1.最短突破 LinuCレベル1 バージョン10.0 合格教本[101試験, 102試験対応]
2020年の4月に改定された「Version 10.0」に対応した、試験用のテキストです。
付属のDVD-ROMに仮想環境で操作するLinuxのイメージが収録されているので、実際に手を動かしながら勉強することが可能です。
実績のある講師による解説で初心者でも理解しやすく、基礎的な知識がしっかりと身につけられるのが特徴です。
2.Linux教科書 LinuCレベル1 Version 10.0対応
こちらも、2020年の4月に改定された「Version 10.0」に対応したテキストです。
LPI-Japan認定のテキストで、同じくLinux教科書の「Linux技術者認定試験学習書」シリーズのノウハウがすべて注ぎ込まれた新たな定番書です。
このテキストの特徴は、練習問題が豊富に掲載されていること。章末ごとに掲載されています。本試験に向けて、1回分の模擬試験が収録されているのも嬉しいです。
Linuxの実習環境をWebサイトからダウンロードできるので、実際にコマンドを入力しながら勉強ができます。
3.Linuxサーバー構築入門(LinuCレベル1, LPI-Japan認定教材)
こちらは、動画学習サイトの「Udemy」で提供されているオンライン教材です。2020年の4月に改定された「Version 10.0」に対応に対応しています。
有償のサービスではありますが、全部で6時間とボリュームも十分。しかも、パソコンだけではなくスマホなどのモバイルデバイスでの利用も可能なため、ちょっとした空き時間にも勉強ができます。
動画ファイルも細かく分かれているので、時間に区切りをつけて勉強しやすいのも嬉しいポイントです。
費用は通常価格で10,800円。期間や回数の制限はないので、一度買えば何度でもいつでも勉強することが可能です。
4.まんがでわかるLinux シス管系女子(日経BP Next ICT選書)
漫画でLinuxでのサーバー管理などを学べる初心者用のテキストです。
漫画で学ぶ系のテキストは内容が薄いと思われがちですが、こちらのテキストは実例が多く、実際の業務にも反映できそうな内容がたくさん盛り込まれています。
基礎を知りたい人向けの参考書ですが、内容が濃く面白いため何度も読んでしまうという人も多いでしょう。
5.新しいLinuxの教科書
こちらは、まさにLinuxの入門書の決定版といったテキストです。LinuxやLinuCの勉強をしたいけれど、どの入門書を買えばいいか判断ができない! という方におすすめです。
コマンドの実行でどのような表示がされるか、などのサンプル画面も掲載されているので、自分自身の画面と見比べながら勉強を進めることができます。
このテキストを最初に読んでおくことで、その後、他の技術書を読んだ時に基礎知識が不足していて挫折するということも避けられるでしょう。
オンライン講座でより合格に近づこう!
Linuxに関する知識の証明に役立つLinuC。受ける試験は同じでもその勉強法は様々です。
スクールへの通学、オンライン講座、独学などさまざまな勉強方法や、メリットやデメリットがある中、最も多くの人が利用しやすい方法はやはりオンライン講座ではないでしょうか。
好きな時間、好きな場所に勉強できるという部分は、社会人でも学生でも大きなメリットになるはず。
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