AWSはどう勉強する?独学でもOK?おすすめの資格もあわせて紹介

ここでは、AWSの基礎知識を紹介し、具体的な勉強方法を解説します。

現在、さまざまな企業がクラウドコンピューティングを積極的に導入しています。

中でも、ネット通販で有名なAmazonが提供するAWSは人気があります。

ビジネスのオンライン化が進む中で、多くの導入事例があるAWSについて学ぶことは将来のキャリアに必ずプラスには働くでしょう。

勉強を進めた先の目標として、AWS認定資格やLinux系の資格についても紹介しますのでぜひ参考にしてください。

目次

そもそもAWSとは?他のクラウドサービスとの違いは?

AWSの正式名称は「Amazon Web Services」で、ネット通販で有名なAmazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスです。

業界シェアが非常に大きく、サポートやユーザー同士のコミュニティも充実しています。

ちなみにクラウドコンピューティングとは、パソコンでインターネットに接続するだけでサーバー・大容量のストレージ・高速なデータベース・ソフトウェアなどを使いたい分だけ利用できるシステムのことです。

クラウドコンピューティングを利用すれば、これまでハードウェアを導入するときに必要だった多額の初期費用、リソース、メンテナンス、容量の使用計画などを大幅に削減できます。

また、これらを用意・設定・管理するための人員や手間も少なくて済みます。

特にサーバーを利用するうえでの利便性が高く、コストを抑えられるのが大きな特徴です。

これまで、サーバーを利用するときはオンプレミスという運用形態で自社にサーバー機器を設置するのが当たり前でした。

そのため、設置スペースの確保、サーバー機器の購入、管理・メンテナンスなどをすべて自社で行う必要があったのです。

しかし、クラウドコンピューティングを利用すれば、スペースの確保、購入費用、管理・メンテナンスのコストなどから解放されます。

インターネットからクラウドコンピューティングに接続するだけで、すぐに使いはじめられるのです。

AWSを勉強するべき理由・メリット

AWSのサービスは、15年以上の歴史があり、Amazonが用意したサーバー・ストレージ・データベースなどの200を超えるフル機能サービスをクラウド上で利用できます。

AWSは世界中で導入・活用する企業が増えており、それにともなってAWSを扱える開発者のニーズも高まっています。

クラウドコンピューティングがスタンダードになりつつある現在、トップのシェアを誇るAWSを学ぶことで得られるメリットは大きいのです。

  • メリット①:AWSエンジニアになるのに有利
  • メリット②:エンジニアは仕事・技術の幅が広がる

メリット①:AWSエンジニアになるのに有利

AWSを勉強することは、AWSエンジニアになるための近道です。

AWSエンジニアとは、AWSの導入・インフラ環境の構築・保守・運用などを行うエンジニアのことです。

パブリッククラウド(一般企業・個人向けにクラウドコンピューティング環境をネット経由で提供するサービス)の普及により、オンプレミスからクラウドへ移行する案件が増えているため、AWSエンジニアの需要も高まっています。

そのため、AWSエンジニアは一般的なシステムエンジニアと比べると年収が高めです。

AWS認定資格を取得して実力をしめせば、年収1,000万円以上稼ぐこともめずらしくありません。

メリット②:エンジニアは仕事・技術の幅が広がる

エンジニアとして仕事をしている人がAWSを学べば、技術や仕事の幅が広がります。

具体的には、自分1人でサービス開発からローンチまで対応できる技術が身につきます。

開発とインフラ管理も担当できるので、いわゆるフルスタックエンジニアとして働くことが可能です。

また、これらの知識・スキル・経験は、転職・キャリアアップにも役立ちます。エンジニアとしてキャリアを形成していくうえで、ベンチャー企業やスタートアップで働くこともあると思います。

ベンチャー企業やスタートアップのような規模の小さい企業は、業務範囲も広いことが多いです。

1人で何役もこなさなければならない企業では、限られた業務しかできない人より、担当できる業務が多いエンジニアのほうが転職しやすくなるのは当然といえます。

AWSを独学で勉強する方法は?

AWSを独学で勉強するときは、AWS公式サイトに書いてあることを参考にしながら進めていくと良いでしょう。

また、公式サイトには役立つ資料のリンクも貼ってあるので積極的に活用してください。

AWSの勉強は、まずAWSが選ばれる理由やビジネスにおける活用方法、効果などを事例で学ぶ必要があります。

次に、AWSのサービスの全体像を把握し、各サービスの内容を深掘りしていきます。

最初にサービス内容をきちんと把握することで、今後の自分自身のどのような仕事に活かせるかをイメージしてみましょう。

サービス内容の勉強がある程度進んだら、AWSの使い方がハンズオンで学べるセルフスペースラボを通じて実際にさわってみるのがベターです。

また、AWSは改善サイクルが早いため、勉強中も最新情報を常に把握しておくことが重要です。

最新情報を把握しておけば設計の幅を広げることにもつながります。

AWS公式のX(Twitter)、Facebook、YouTubeなどにも最新情報が公開されるのでチェックしておきましょう。

  • AWSを勉強するときにおすすめの資格は?
  • LPICとLinuC
  • CCNA

AWSを勉強するときにおすすめの資格は?

AWSを勉強するときは、単に知識の習得や経験を積むだけでなく、資格取得を目標にするとモチベーションが保てます。

ここでは、AWS認定資格のほか、取得しておくと役に立つ資格を紹介します。

AWS認定資格

AWS認定資格は全部で12個あり、ファウンデイショナル・アソシエイト・プロフェッショナル・スペシャリティの4つの分野に分かれています。

ファウンデイショナルには、以下の2つがあります。

  • クラウドプラクティショナー
  • AIプラクティショナー

AWSの基礎的な理解を目的とした知識ベースの認定で、AWS認定資格の中でもっとも難易度が低めです。

ファウンデイショナルの上のアソシエイトには、以下の5つがあります。

  • SysOps アドミニストレーター
  • デベロッパー
  • ソリューションアーキテクト
  • データエンジニア
  • マシーンラーニングエンジニア

AWSの知識とスキルを証明し、AWSクラウドのエンジニアとしての信頼性を獲得するための認定です。

アソシエイトの上の、プロフェッショナルには以下の2つの資格があります。

  • ソリューションアーキテクト
  • DevOps エンジニア

この2つの資格は、クラウド実務経験2年以上の人を想定して試験問題が作られています。

アソシエイトと同様に、受験に実務経験は問われませんが、試験範囲が広く、難易度が高くなっています。

そして、最も上位のスペシャリティには、以下の3つの資格があります。

  • アドバンスネットワーキング
  • マシーンラーニング
  • セキュリティ

AWSに強いクラウドエンジニアになるために、基本からはじめて、1つずつ上位の認定を目指していきましょう。

AWS認定資格について、より詳しく知りたい方は「AWS認定とは?資格試験の基本情報とメリットについて解説」で紹介していますので、ご覧になってください。

LPICとLinuC

LPICは「Linux Professional Institute Certification」の略で、日本名はLinux技術者認定試験です。

Linuxの技術力を認定するIT資格で、Linuxのスキルレベルを判断する基準として国際的に認められています。

また、2018年3月から日本市場向けの新しいLinux認定技術者試験であるLinuC(リナック)が実施されています。

資格取得のメリットは、Linuxに対する技術力の裏づけになるだけでなく、受験対策を通じてLinuxの知識が一通り身につくことです。

Linuxは日本企業の約7割が導入しており、インターネットサーバーの5割以上がLinuxと高いシェアを誇っています。

Linux系の資格を取得していれば、Linux上で起きたトラブルにもある程度対処が可能になるため、人材としての付加価値がつきます。

LPICには、LPIC-1、LPIC-2、LPIC-3の3つのグレードがあり、LPIC-3が最高位です。

上位試験の受験資格は、下位試験に合格していることが条件になっています。

LinuCも同様に、LinuCレベル1~レベル3のグレードが設定されており、上位レベルの認定を受けるには試験に合格し、かつ下位レベルの有意認定が必要です。

LinuCについて、より詳しく知りたい方は「LinuCとは?資格内容や試験について解説」で解説していますので、ご確認ください。

CCNA

「CCNA(Cisco Certified Network Associate)」は、世界共通基準であり、ネットワークの世界でもっとも有名な資格です。

試験は世界的ネットワーク関連機器メーカーの「シスコシステムズ社」が実施しています。

ネットワークエンジニアの技術を測る試験で、シスコシステムズ社のCiscoルータ、Catalystスイッチに関する技能や基礎的なネットワーク技術が求められます。

取得のメリットは、世界基準の資格を取得することで自分のネットワークエンジニアとしてのスキルを証明できることです。

また、自分の現時点でのスキルレベルをチェックができることもメリットです。

CCNAの試験はネットワークの基礎を丁寧に網羅しているので、自分の得意分野はどこなのか、足りない知識はどれなのか、などを客観的に把握できます。

ネットワークの初学者にもおすすめの資格といえます。

ネットワーク関連は範囲が広いため、どこからはじめればいいのか迷うことが多いです。

CCNAの勉強はネットワークの基礎を効率よく学習できます。試験には、「エントリー」「アソシエイト」「スペシャリスト」「プロフェッショナル」「エキスパート」「アーキテクト」の6つのグレードがあります。

グレードの高さはエントリーがもっとも低く、アーキテクトが最高位です。

CCNAは生涯有効ではなく、3年で失効します。資格を持ちつづけるには同じレベルか上位レベルの試験を3年以内に合格し、資格を更新する必要があります。

この仕組みには賛否ありますが、逆に考えれば、即戦力の人材であることを証明できるといえるでしょう。

CCNAについて、さらに詳しく知りたい方は「CCNAとは?基本情報から受験方法・勉強方法までを解説」をご覧になってください。

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