クラウドエンジニアにおすすめの資格は?取得するメリットは?

クラウドエンジニアを目指すのにおすすめの知りたい

近年、クラウドサービスの普及に比例して、クラウドエンジニアの需要も伸びつつあります。

しかし、クラウドエンジニアの数自体まだあまり多くはないため、クラウドエンジニアになりたい人の中には、どのような手順でクラウドエンジニアを目指すのかを知りたい人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、クラウドエンジニアを目指す人やそれに伴う資格取得を目指す人に向けて、クラウドエンジニアの概要とおすすめの資格を解説します。

クラウドエンジニアの仕事内容や年収など気になる部分も紹介しています。

目次

クラウドサービスとは?

クラウドサービスとは、ネットワーク上で個人あるいは組織のデータやソフトウェアを管理できるサービスのことです。

クラウドサービスが普及する以前は、パソコンや外付けのHDDなどを使ってデータ管理をしていました。

この方法だと、他の人と情報を共有する場合、メールなどを通じてデータやファイルをわざわざ相手に送る必要がありました。

しかし、クラウドサービスを使えば、それらの情報をネットワーク上で管理が可能です。

相手にアクセスできる権限を付与することで、送受信の手間をかけずとも、直接相手側もデータにアクセスできるようになります。

クラウドサービスは、必要な人間全員がデータに簡単にアクセスできるようになった点で便利であることには違いありません。

ですが、クラウドサービスのデータはクラウドサービスの事業者側のサーバーに保管されます。

そのため、利用するクラウドサービスを慎重に選ばないと情報漏洩に繋がってしまうため注意が必要です。

クラウドエンジニアの仕事内容

クラウドエンジニアは、先に挙げたクラウドサービスを構築するエンジニアのことです。

クラウドエンジニアの仕事内容を大きく分けると以下の3つが挙げられます。

  • インフラの設計
  • クラウドの構築
  • クラウドの運用・保守

インフラの設計

インフラの設計は、クラウドサービスのすべての基盤となります。

実現したいクラウドサービスの内容を再現するため、それらが動作する環境をチェックしつつ、設計を行っていきます。

サービス内容や特徴、開発する目的などを明らかにすることはもちろんですが、将来的にどのように機能を拡張していくかを思い描いて、その拡張も円滑に進められるように設計していかなければなりません。

後述するクラウドサービスの構築技術だけを持つエンジニアよりも、インフラの設計からできるエンジニアの方が重宝されやすいでしょう。

クラウドの構築

設計書が完成したら、それに基づいてクラウド上でシステムを構築していきます。

クライアントと擦り合わせて決めたソフトウェアの導入や仮想サーバーの作成、ストレージ設定、データベースの構築など、必要な要素をソースコードで打ち込んでいきます。

クラウドサービスが完成したら、問題なく使えるかテストを行い、エラーが発生しなくなるまで再構築とテストを繰り返して、問題なく動作するようになったら完成です。

クラウドの運用・保守

クラウドエンジニアの仕事は、システムが完成してクライアントに引き渡せば終わりというわけではありません。

完成したクラウドサービスをクライアント側の方たちが安心して利用できるように、クラウドサービスの運用や保守まで行う必要があります。

クラウドエンジニアの仕事の多くは、このクラウドサービスの運用や保守となってきます。

上記のように、クラウドサービスを専門に扱うのが、クラウドエンジニアの仕事です。

これらの仕事内容から、クラウドエンジニアはITインフラを扱う「インフラエンジニア」、ネットワークシステムを扱う「ネットワークエンジニア」と混同されることもあります。

クラウドエンジニアの年収は?

クラウドエンジニアだけに限らず、ITエンジニアの年収や給与はスキルによって大きく異なります。

そのため、具体的な金額を算出するのは困難ですが、正社員のクラウドエンジニアであれば、500万円から600万円前後の年収が期待できます。

国税庁の調査によると、令和元年における日本人の平均年収が436万ですが、それよりも高い年収が期待できる点では高いモチベーションを持って仕事に取り組むことが可能です。

ただし、エンジニア職として企業に採用されるのはそう簡単なことではありません。

まずは相応のスキルと実績を獲得していくところから始める必要があります。

それができて初めて、クラウドエンジニアとしてのキャリアがスタートできます。

さらにエンジニア職だと、実績やスキルが一定以上高くなり、業界内で個人として名前が知れ渡るようになると、フリーランスの道を築くことも可能です。

フリーランスになれば、成果としての報酬がダイレクトに入ってくるようになるため、さらにモチベーションの向上に繋がります。

働き方は人それぞれですが、クラウドエンジニアはスキルや実績次第で多様なキャリアプランを描ける仕事といえるでしょう。

クラウドエンジニアが資格を取るメリット

クラウドエンジニアになるために何か資格が必要なのかといわれると、特に決められた資格が必要だということはありません。

ただ、資格を保有することで得られるメリットもいくつか存在します。

そのメリットとして以下の3つが挙げられます。

  • スキルアップによって業務効率を上げやすくなる
  • 客観的なスキルを証明しやすくなる
  • ベンダー資格で知識をアップデートし続けられる

スキルアップによって業務効率を上げやすくなる

クラウドエンジニアは実力さえあれば、資格がなくても十分に仕事をこなせます。

しかし、クラウドエンジニアに限らず、スキルを獲得するうえで目標を設定することはかなり重要なことです。

クラウドエンジニアとして目標達成のプロセスをイメージできるならともかく、何から始めていいかわからないと考えている人も少なくありません。

そういった場合は難しくあれこれ考えずに、確実にスキルが身に付く目標となる資格取得を目指すのも良い方法です。

すでにクラウドエンジニアとしてある程度の知識や経験を詰んだ人でも、現場で知ることのなかったことを資格の勉強を通じて知ることで、今までよりも業務効率を上げられる可能性があります。

基礎的なスキルの獲得だけでなく、スキルアップの目的で資格取得に挑戦するのもおすすめです。

客観的なスキルを証明しやすくなる

資格を取得していれば、その業界に精通していない相手に対しても自身のスキルを証明することができます。

クラウドサービスを求める企業は多く、クラウドエンジニアは業界や業種に関係なくさまざまな場所で活躍できる人材です。

一方、自身の持つスキルを実績などで見せても、専門的知識がないのでそれで判断できない企業も多いのです。

そんな時に、公的な組織が行う試験に合格して、必要なスキルを持っていることを専門家に認められた証明となる資格は、客観的に見てスキルを最も判断しやすい材料となります。

クラウドエンジニアに馴染みのない組織や企業に飛び込んで活躍したい場合、スキルを証明できる資格の取得をぜひ検討してみてください。

ベンダー資格で知識をアップデートし続けられる

IT関連の資格は、ベンダー資格に該当し、その資格を保有し続けるためには知識をアップデートし続けることが求められます。

資格には国家資格とベンダー資格があり、国家資格は国や国からの委託を受けた組織が試験を実施する資格で、ベンダー資格は一般企業が独自に試験を行っている資格です。

国家資格は法に基づいて作られるため、あまり試験内容に変更が入ることがなく、資格の有効期限もありません。

一方で、ベンダー資格は時代の変化に応じて運営する企業が試験内容を精査・変更することがあるので、資格に有効期限が定められていることが多いです。

ベンダー資格だと再度勉強をしなければならない面倒な点はあるものの、資格を保有し続けるためには常に新しい知識のアップデートを求められます。

そのため、就職・転職などでスキルをアピールして入社できたあとも、知識が古くて仕事に対応できないといったことが起こりにくいのです。

クラウドエンジニアにおすすめの資格は?

エンジニア向けの資格は、種類が多くてどれを受けたらいいかわからないという人も少なくありません。

そこでクラウドエンジニアにおすすめの資格を紹介します。

  • LPIC
  • LinuC
  • Cisco技術者認定

LPIC

LPICは、Linux技術者認定資格の一種です。世界共通基準で認定されていて、グローバルな人材になる場合におすすめの資格となります。

AWSからクラウドを構築していくことはできますが、そのAWSも含めたほとんどのクラウドの根幹となるOSはLinuxを基に作られています。

Linuxはオープンソースで誰でも自由に手を加えて運用したり、再配布したりできるOSなので、そのLinuxを扱うスキルが証明できるLPICを取得しておくと、最も柔軟なクラウド構築ができる人材だと判断されやすくなります。

試験のグレードはレベル1からレベル3まで用意されていて、段階的に受験しなければなりません。

レベル1ならLinuxの基本操作やシステム管理など、レベル2ならシステムデザインやトラブル時の対応など、レベル3ならレベル2の内容がより専門的に出題されます。

LinuC

LinuCもLPICと同様、Linuxを扱うために必要なスキルを集約した認定資格です。

LPICと出題範囲や合格率などは変わりませんが、唯一の違いといえば、国内の資格かグローバルな資格かどうかです。

LPICは国際基準で定められた認定資格で、グローバルな現場でLinuxを用いたクラウドエンジニアとして働きたい人向けの資格です。

一方で、LinuCは国内基準の認定資格で、少しだけ出題される問題の傾向がLPICと異なる部分も見られています。

クラウドエンジニアとしてどういった人材になりたいのかビジョンを明らかにして、LPICの取得を目指すか、LinuCの取得を目指すか判断してください。

もしクラウドエンジニアとして活躍できなかったとしても、Linuxを扱うスキルはIoT技術やシステム開発に役立てることができるなどいくつもの可能性を秘めています。

そのため、キャリアチェンジしやすい分安心感もあるので、Linux系の資格はかなりおすすめです。

Cisco技術者認定

Cisco技術者認定は、Ciscoを用いてクラウドの導入や管理、そこでのアプリケーション等の最適化を図ることが可能なスキルを証明する資格です。

ネットワーク機器製造販売会社のシスコシステムズが独自に設けている資格で、自社製品を取り扱うために必要な知識を集約した制度となっています。

そのCiscoの中でもCCNAの取得が最もおすすめです。

アソシエイトにまつわる知識などが身に付きやすい資格です。

さらにレベルを上げようと思ったら、CCNA合格後にCCNPも受けられるので挑戦してみてください。

資格取得のためにビジョンを明らかにしよう

近年クラウドの導入を検討する企業が増えており、それに伴ってクラウドの設計から開発、管理まで着手するクラウドエンジニアの需要も高まってきています。

クラウドエンジニアはエンジニア職でも需要が高く、多様なキャリアプランや収入アップを狙うことができます。

自分自身のスキルアップのための目標設定や、客観的に見て自分のクラウドエンジニアとしてのスキルを証明できる点から、資格取得に向けて学習に務めることは重要なことです。

とはいえエンジニアに関する資格は、専門的なIT用語が当たり前のように使われるため、独学だと学習効率を上げることが難しいでしょう。

熟練したエンジニアの人であれば独学で勉強するのも手ですが、効率的に資格を取得したい人であれば、TECHHUB(テックハブ)を使ってみてはいかがでしょうか。

TECHHUBは、インターネットとデバイスさえあれば、どこでも資格対策ができるエンジニア向け学習サービスです。

気軽に好きな時間に試験学習が可能で、未経験や経験者を問わず効率的に学習できます。

クラウドエンジニア向けの資格はいくつも種類があるので、その資格の特徴や自分がどんなクラウドエンジニアになるのかのビジョンを明らかにしたうえで、取得すべき資格を選定していってください。

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