インフラエンジニアとシステムエンジニアの違いとは?未経験でも目指せる?
インフラエンジニアとシステムエンジニアのどちらが自分に合っているのかは、これからエンジニアを目指す人の悩みの1つです。
この記事では、インフラエンジニアとシステムエンジニアの違いや、それぞれの具体的な職種について解説しています。
未経験の人でも目指しやすいのはどちらなのかも紹介していますので、エンジニアへ転職をお考えの際はぜひ参考にしてください。
インフラエンジニアとシステムエンジニアの4つの違い
4つの要素で違いを見ていきましょう。
同じエンジニアでも、「インフラエンジニア」と「システムエンジニア」とでは、役割や仕事内容などに様々な違いがあります。
下記では、両者の違いについて、必要なスキルや平均年収など様々な面から解説していきます。
1:役割の違い
インフラエンジニアは、情報システムを動かすうえで土台となる部分の設計や構築、運用を行うのが役割です。
ネットワークやサーバー、データベースなど、いわゆるネットワークインフラと呼ばれる領域に対応することが主な仕事になります。
社内ネットワークのインフラ整備はもちろん、クラウド環境の構築などを行うインフラエンジニアは、情報通信における基盤を作る重要な役割です。
対して、システムエンジニアはインフラエンジニアが築いた土台にシステムやソフトウェアを設計・開発するのが役目です。
情報システムを稼働させるために必要な開発を行うため、インフラ領域以外の知識や技術も必要になります。
もしシステムを「家」としたならば、システムエンジニアは「建築士」にあたるポジションです。
2:仕事内容の違い
インフラエンジニアの仕事内容
インフラエンジニアの仕事には、「設計」、「構築」、「運用・保守」の工程があります。最初の設計の段階では、クライアントからの要望を実現するための機能や設定などを検討し、設計書を作成します。
ベストな環境を構築するにはクライアントへのヒアリングが重要です。主に要件定義や設計に携わるインフラエンジニアの仕事では、クライアントとのやり取りが発生します。
続けて、設計書にしたがってインフラを作るのが構築の段階です。
システムが完成すると運用・保守の段階に移り、できあがったシステムが正常に動いているか監視。
障害やトラブルはいつ起こるかわからないため、24時間・365日稼働してシステムの土台を支え、障害が起きた場合は状況の調査や報告などの対応を行います。
システムエンジニアの仕事内容
システムエンジニアの主な担当は「要件定義」、「基本設計」、「詳細設計」です。
まず、要件定義の段階では、クライアントの課題を解決するために必要な機能を検討します。
次の基本設計で、要件定義の内容をベースにどのようなシステムを構築するか考え、詳細設計でより詳しいプログラムの構成や処理内容などの設計書を作成します。
工程を進めるうえでは、顧客からの要求に対して提案をしたり、調整をしたりしながら、適したシステムを作ることが求められます。
なお、プロジェクト全体の進捗管理を行うのもシステムエンジニアの業務の一環です。
メンバーをまとめ、スケジュールどおりに進行できるよう指示を行うこともあります。
そうしていくなかで、ゆくゆくはプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーを任せられる場合もあります。
3:求められるスキルの違い
インフラエンジニアとシステムエンジニアでは仕事内容に違う部分はあっても、両者とも開発に必要な言語の理解やプログラミングスキルが求められます。
使用するプログラミング言語としては、世界中の基幹システムで活用される「Java」やフレームワークにより構築するWebサイトの開発に強い「Ruby」、AI(人工知能)開発のプログラミング言語として人気のある「Python」などです。
インフラエンジニアにプログラミングスキルが求められるのは、バッチファイルやシェルスクリプトなどを作成する場合です。加えて、ネットワークインフラ関連の知識は必須。ネットワークの設計からサーバー構築まで、安定した通信基盤を整えるためのスキルが求められます。
サーバーやOS(Windows・Unix・Linuxなど)の理解やセキュリティに関する知識も必要でしょう。
システムエンジニアは、要件定義や基本設計、詳細設計といった上流工程を担当するため、プログラマーを兼任しているような場合を除き、自身がプログラミングをするわけではありません。
ですが、どういった言語が適しているか、プログラマーからの質疑応答といった場面において、プログラミングの知識やスキルが求められるでしょう。
また、クライアントから要望を聞き出したり、プログラマーを管理したりといった仕事をするケースでは、進捗管理能力やコミュニケーション能力が問われます。
4:平均年収の違い
平均年収は、インフラエンジニアが約733.6万円※1、システムエンジニアが約568.9万円(企業規模10名以上の企業に勤務する人が対象)※2です。システムエンジニアよりインフラエンジニアのほうが、平均年収が高い傾向にあります。
また、インフラエンジニアのなかでも「運用・保守」の工程を担当するエンジニアより、「設計」や「構築」といったよりスキルを求められる工程を担当するエンジニアのほうが年収は高い傾向です。
※1参照元:職業情報提供サイト(日本版O-NET)「システムエンジニア(基盤システム)」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/318)
※2参照元:政府統計の総合窓口e-Stat「賃金構造基本統計調査令和元年以前 職種DB第1表」 (https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084610)
インフラ系の職種には具体的にどういったものがある?
インフラエンジニアはいくつかに分かれます。
インフラ系のエンジニアと一括りにいっても複数の種類がありますが、ここでは「ネットワークエンジニア」と「サーバーエンジニア」を紹介。
下記で両者について説明していきます。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアとは、ネットワークの設計や構築、運用、保守などを担う技術者のことです。
設計では、クライアントのヒアリングに始まり、ネットワークの構成や利用する回線などの決定を行います。
その設計の仕様に沿って、ネットワーク機器を設定するのが構築の段階です。
構築後は運用・保守に移り、円滑なネットワークを維持できるようにサポートします。
サーバー同士やサーバーとコンピューターとをつなぐのが仕事であり、システムエンジニアとサーバーエンジニアの仲介者でもあります。
適切なネットワークの構築には、クライアントのヒアリングが必須であり、コミュニケーション能力が必須となる職種です。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、サーバーの設計や構築・管理などを行う技術者を指します。
ネットワークエンジニアと同様にはじめにクライアントのヒアリングを行って、クライアントに必要なサーバーを設計。
設計後は設計図にしたがって構築を行い、サーバーを立ち上げてからは監視やセキュリティチェックなどの運用・保守を行います。
なお、構築の段階では、サーバー機器をラックに設置する、サーバーを電源や他の機器とケーブルでつないで配線するといった物理的な作業も発生します。
システム・開発系の職種にはどういったものがある?
システム・開発系のエンジニア職の代表に挙げられるのが、「システムエンジニア」と「Webプログラマー」の2つです。
以下で両者の特徴について見ていきましょう。
システムエンジニア
システムエンジニアが主に担当するのはプログラムの要件定義と設計であり、クライアントの要望に沿った仕様書を作るのが仕事です。
クライアントの窓口として意図することを汲み取り、適した手法を提案するのも業務の一環です。
開発するシステムの基本的な知識はもちろん、設計書といったドキュメントを作成するスキルを要します。
また、システムの設計からテストまでプロジェクトに携わるメンバーをまとめて、プロジェクトが予定どおりに進むよう管理することも必須です。
プロジェクトの規模が大きければ大きいほど、マネジメント能力も要求されます。
プログラマー
プログラマーは、システムエンジニアが作成した仕様書を具体的なシステムに落とし込むのが役目です。
端的にいえば、コードを記述してシステムを作る専門家であり、システム開発における製造工程を担っています。
なお、プログラマーに人気のプログラミング言語には、動作するプラットフォームを選ばないメジャーな「Java」やソースコードを統一しやすく共有や管理がしやすい「Python」などが挙げられます。
仕様書に沿ったプログラムを組んだ後、システムが正常に稼働するか単体試験を行うのも仕事です。
この段階でバグやミスがある場合は、仕様書のように稼働するまで修正を行います。
そのため、プログラミングのスキルに加え、仕事に責任感を持てる人がプログラマーに向いています。
エンジニアへの転職を検討しているなら、1人で活動を進めるよりも専門企業と一緒に進めるのがおすすめです。
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未経験から目指すのであればインフラエンジニアがおすすめ
未経験からチャレンジして、多くの人が活躍しています。
未経験の状態からエンジニアへ転職したいという人は、インフラエンジニアを目指すのがおすすめです。
具体的な理由を3つ、以下でご紹介していきます。
理由1:未経験者でも採用されやすい
勤務経験のない人でも採用されやすいのがインフラエンジニアの利点の1つです。
今はITの力なくして企業活動ができる会社は多くありません。
インフラエンジニアが持つスキルは、IT企業はもちろんのことIT業界以外でも求められています。
この先、デジタルトランスフォーメーション(DX)が企業に広まっていけば、より需要が高まることが期待できます。
そのため、未経験者を歓迎する求人も多く、異業界や異業種からインフラエンジニアに転職する人も少なくありません。
それに加えて、学歴より実地的なスキルやITスキルを重視していることもあり、インフラエンジニアの就職や転職に関しては文系・理系問わず受け付けているところもたくさんあります。
理由2:IT技術者としての基礎を学べる
仕事をしていくなかで、IT技術者に不可欠な基礎を学べるのもインフラエンジニアの特徴です。システムの基盤であるインフラの設計や構築を行うインフラエンジニアの仕事内容は、エンジニアの基礎です。
そのため、インフラエンジニアを目指していくなかで、IT技術者としての土台となる知識やスキルを自分のものにしていけます。具体的には、JavaやRuby、Pythonなどのプログラミング言語、Windows、Linux、UNIXといった各種OS、ネットワーク、設計、セキュリティに関する知識などが習得できることに該当します。
理由3:様々な業種にステップアップできる
徐々に業務範囲を拡大していったり、他の業種へ転職したりとステップアップできるのもインフラエンジニアの利点です。
未経験からインフラエンジニアに転職した場合、構築や運用や保守、監視といった下流工程の業務を任されることがほとんど。
それらの業務に携わるなかでのトラブル対応をはじめとした経験は、上流工程のシステムの設計や構築に関わるようになった際に役立ちます。
また、インフラ分野に留まらず、ゆくゆくはシステムエンジニアに転職することも可能です。
インフラエンジニアとして培った知識を活かしながら、キャリアチェンジができます。
インフラエンジニアに向いている人とは?
能力も重要ですが、性質や姿勢も適正にかかわってきます。
インフラエンジニアに向いている人の特徴の1つが、機械を触るのが好きということです。
なぜなら、インフラエンジニアの業務では、サーバー機器やネットワーク機器などハードウェアに触る作業があるためです。
パソコンを自分で組み立てるのが趣味という人は、インフラエンジニアに向いています。
また、事前準備が得意というのもインフラエンジニアに向いている人の特徴です。
インフラエンジニアの業務は、システムトラブルを未然に防ぎ、早期に解決しなくてはいけません。
そのため、トラブルを回避するための対策、トラブルが起こった際の解決策などを考える必要があります。
それに必要なのが先を見越しておく力です。
事前準備が得意な人はインフラエンジニアの適性があります。
インフラエンジニアとシステムエンジニアには、同じエンジニアでも役割や仕事内容などに差があります。
インフラエンジニアは情報システムを動かすのに大切な土台の設計や構築などを行うのに対し、システムエンジニアはシステム全般の設計や構築を行います。
対応範囲が広いため、転職の難易度はやや高めといえるでしょう。
しかし、同じエンジニアでもインフラエンジニアは、IT業界をはじめとした色々な業界で幅広く需要があり、未経験者でも応募可能な求人が多いのが特徴。
さらに、IT技術者にとって重要な基礎を習得できることから、未経験者に向いている職種です。
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