ネットワークエンジニアの年収は?求められるスキルやおすすめの資格、将来性を解説
インターネットの利用が当たり前になった現在、通信環境を利用することは、電気や水道、ガスなどと並ぶインフラの一部とされています。
ネットワークが止まってしまえば、私たちの生活が立ち行かなくなってしまうと言っても過言ではありません。
こうした通信環境に関わる重要なポジションが「ネットワークエンジニア」です。
本記事では、ネットワークエンジニアの年収や求められるスキル、おすすめの資格とそのメリットを解説していきます。
ネットワークエンジニアへの転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ネットワークエンジニアとは
ネットワークエンジニアとは、コンピューターのネットワーク設計や構築、保守、運用、管理を行うエンジニアのことです。
ビジネスにおいても、日常生活においても、パソコンやスマートフォンを通してインターネットを利用したり、連絡を取り合ったりするのが当たり前になっています。
こうしたやりとりをスムーズに行うには、快適な通信環境が必須です。
ネットワークエンジニアは、今ではインフラの一部となっている通信環境を設計し、守っていくことが主な仕事です。
そのため、高いスキルや専門的な知識が必要な仕事と言えるでしょう。
ネットワークエンジニアの平均年収
ネットワークエンジニア全体の年収は450万円程です。
実際、20代でも450万円を超える年収を得るネットワークエンジニアもいます。
経験を積んだエンジニアは、より知識やスキルが必要な上流工程の仕事が求められるため、必然的に年収が上がっていきます。
それぞれの年代の平均年収を下記にまとめました。
20代の平均年収
20代の平均年収は370万円程です。
20代前半はまだ実務経験が浅いため、さほど高くはありません。
スキルと経験を積んだ20代後半になってくると、平均年収は約460万円まで跳ね上がります。
もちろん、年齢ありきではなくスキルや実績に応じて期待できる年収が左右されるため、スキルアップのための研鑽は大前提です。
30代の平均年収
30代の平均年収は550万円程です。
30代後半になってくると、経験していることも増え、上流工程を任せられる機会が増えてきます。
そのため年収も大きくアップし、580万程度まで上がります。
これまでの経験を活かして大企業などへの転職を成功させ、年収アップに成功しているネットワークエンジニアもいます。
40代の平均年収
40代の平均年収は600万から700万円程です。
40代後半になってくると、現場でのスキルだけでなく、チームのマネジメントも求められるようになります。
そのため役職に就くネットワークエンジニアも多く、それに伴って年収は上がっていきます。
50代の平均年収
50代の平均年収は750万円程です。
30代や40代と比較すると伸びが少ないのが実情です。
50代前半のシステムエンジニアの年収は比較的高く、後半になるにつれて下がっていく傾向にあります。
加齢が要因の一つとされていますが、それでも一般的な平均年収よりは高めと言えます。
ネットワークエンジニアと他3種のエンジニアとの年収の違い
エンジニアの職種は、ネットワークエンジニアの他にも様々あります。具体的には下記のような職種です。
- サーバーエンジニア
- セキュリティエンジニア
- データベースエンジニア
ここではそれぞれのエンジニアの職種と、ネットワークエンジニアの年収を比較していきます。
サーバーエンジニアとの年収の違い
サーバーエンジニアの平均年収は467万円です。
ネットワークエンジニアの平均年収と比較すると、10万円程高い傾向にあります。
サーバーエンジニアはその名の通り、企業などに設置するサーバーの構築、設計および保守管理を行う職種です。
ネットワークエンジニアでも、サーバーに関わる業務はありますが、主にサーバー内のアプリケーションを担当するのがサーバーエンジニアです。
そのためサーバーと他のアプリを繋ぐネットワークを担当するネットワークエンジニアとは、求められるものが異なります。
セキュリティエンジニアとの年収の違い
セキュリティエンジニアの平均年収は596万円です。
ネットワークエンジニアよりも高い傾向がありますが、セキュリティエンジニアの給与幅は、300万円〜1,000万円と幅広い点に注意が必要です。
セキュリティエンジニアは、情報セキュリティに特化したエンジニアです。
セキュリティ専門のため、システム設計や構築においてもセキュリティ対策に則った業務が必要とされます。
また、技術職ではありますが、顧客とのコミュニケーションも積極的に求められます。
前述した通り、セキュリティエンジニアは平均年収の幅が広いため、求人サイトに掲載されている年収にも大きな違いが出ています。
そのため、一概にネットワークエンジニアよりも高いと言えない現状があります。
データベースエンジニアとの年収の違い
データベースエンジニアの平均年収は574万円とされています。
こちらもセキュリティエンジニアと同様に、給与幅が300万円〜900万円と幅広くなっています。
データベースエンジニアは、企業で扱うデータベースの開発から設計、管理を行うエンジニアです。
具体的にはOracle Databaseなどのデータベース製品を扱っています。
データベースエンジニアの人材はさほど多くはないため、昨今の市場価値は上昇しています。
各企業がハイレベルな人材を求めている傾向にあり、年収の高い求人が平均年収を押し上げています。
ネットワークエンジニアの残業時間
ネットワークエンジニアの残業時間は、平均20時間/月です。
インフラに関わる職種のため、24時間365日の対応が求められます。
トラブル発生時には、迅速に対応できる体制を整えておくことも求められる職種です。
設計業務を行なっているネットワークエンジニアと、保守業務を行なっているネットワークエンジニアでは、想定される残業時間が変わってきます。
設計業務ではネットワークが正しく動作するよう問題を解決し、正常に構築することが求められます。
そのため、残業時間が多い傾向にあります。一方で保守や運用担当者の残業は比較的少ないと言えます。
しかし障害などのトラブルが発生した場合は、休日出勤などで対応する必要が出てきます。
ネットワークエンジニアに求められる4つのスキル
ネットワークエンジニアに求められるスキルは、主に下記の4つです。
- ネットワーク全般の知識
- 情報収集力
- 論理的思考力
- コミュニケーション力
それぞれのスキルについて解説していきます。
ネットワーク全般の知識
ネットワークの知識は、設計や構築に関わるものと、保守や運用に関わるものとに分けられます。
保守や運用に関わる知識はネットワークエンジニアとしての基本となりますので、必ず押さえておく必要があります。
設計や構築に関する知識としては、ネットワークを実現させるための要件定義が行えるなどといった高度な内容が求められます。
これからネットワークエンジニアについての知識を身につけたいと考えているのであれば、まずは保守や運用についての知識から学ぶのがおすすめです。
情報収集力
情報収集力も必要なスキルの一つです。IT技術は、日々進化を遂げています。
常に最新の情報を押さえ、対応可能にしておく必要があります。
ネットワークエンジニアには、ITトレンドをキャッチする力が求められるでしょう。
自身で調べるのはもちろんのこと、常にアンテナを張り、最新情報をすぐに得られる体制を整えておくことが大切です。
論理的思考力
論理的思考力は、業務の様々な場面で必要とされます。
例えばネットワークエンジニアとして要件定義を行う際は、「なぜそうなるのか」を顧客に向けて説明する場面があります。
ネットワーク障害が発生した場合には、トラブルの発生原因や解決策をひとつずつ論理的に追求し、検証する力が求められます。
あらゆる場面に対して、冷静に対応し解決に導くためにも、論理的思考は重要なのです。
コミュニケーション力
コミュニケーション力もネットワークエンジニアには大切なスキルです。
ネットワークに関する業務は、チームで行動することが多く、顧客とのやり取りも頻繁にあります。
顧客のネットワークは必ずチームで管理するため、報連相をきちんと行い、情報の共有や連携をすることが求められます。
また、保守や運用の場面では、顧客に対して状況を説明したり、今後の対応について話し合ったりすることもあります。
技術的なスキルだけではなく、コミュニケーションスキルも年収を上げていくには必要な能力になります。
ネットワークエンジニアにおすすめの資格
ネットワークエンジニアになるための、おすすめの資格は以下の3つです。
- シスコシステムズ認定資格
- 基本情報技術者試験
- ITパスポート
それぞれの資格がどのようなものかを解説していきます。
シスコシステムズ認定資格
シスコシステムズ認定資格は、アメリカに本拠地のある世界最大のネットワーク機器開発会社シスコシステムズが主催する認定資格です。
シスコシステムズ認定資格は、ネットワークの知識やスキルが十分に備わっている証明になるため、とても人気の高い資格です。
CCTやCCNAなど、様々な種類の資格が難易度別に用意されています。
ネットワークエンジニアとして活躍したいのであれば、CCNAは最低限取得しておきたいものです。
より高度なスキルを身につけたいのであれば、CCNPにチャレンジするのもおすすめです。
なお資格取得の勉強は独学でも十分可能ですが、eラーニングを活用するとより効率的に知識を身につけることが可能です。
CCNAに興味のある方は、『TECHHUB』のCCNA対策講座をおすすめします。
7日間の無料トライアルもあるので、お気軽にお問い合わせください。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITやネットワークに関する知識が幅広い分野で求められる国家資格です。
ITやネットワークに関する分野を網羅した問題が出題されるので、この試験に合格することで基本的なネットワークに関する知識があることを示すことができます。
ネットワークエンジニアとして活躍するのであれば、必ず取得しておきたいものです。
なお、基本情報技術者試験の上位資格には「応用情報技術者試験」があります。
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基本的な知識を網羅できる国家資格です。
エンジニアはもちろんのこと、IT企業に勤める営業担当の人も多く取得しています。
ITパスポートを取得していれば、ITに関する体系的な知識を有していることの証明になります。
またITに関する基礎知識を身に付けることができるので、初心者の方はシスコシステムズ認定資格や基本情報技術者試験を受験する前に取得しておくのがおすすめです。
資格を取得する3つメリット
資格を取得するメリットは主に下記の3点です。
- 必要な知識とスキルが身につけられる
- スキルを証明でき、転職で有利になる
- 年収アップにつながる
ネットワークエンジニアには、高度なスキルや知識が求められます。
エンジニアとして現場に出る際は、資格取得を通して身に付いたスキルや知識が役立つでしょう。
ネットワークエンジニアとしてのスキルを客観的に証明することができるので、転職で有利になったり、年収アップにつながったりします。
ネットワークエンジニアとして働くのに資格は必須ではありませんが、取得しておいて損はないでしょう。
ネットワークエンジニアの将来性
ネットワークエンジニアは現在、人材不足の職種の一つです。
企業は、より幅広いスキルや知識のある人材を求める傾向があります。
高いスキルと経験があれば、様々な選択肢が広がるでしょう。
昨今では、ネットワークに付随してクラウドやAWSなどの分野に関するニーズも高まっています。
より確実な将来を見据えてクラウドなどの知識を身に付けることも重要ですし、自分が何を目指し、自分には何が必要なのか、キャリアパスを明確にする必要があります。
ネットワークエンジニアのキャリアパス
ネットワークエンジニアのキャリアパスとしては、以下の2つが考えられます。
- 技術・スキルを極めるスペシャリスト
- マネジメント・コンサル系のゼネラリスト
技術・スキルを極めるスペシャリスト
スペシャリストとしてのキャリアパスは、その名の通りエンジニアとしての技術やスキルをとことん極めたい人向けです。
新しい技術を習得する、最新トレンドに対応できるなど、常にレベルアップしていくことが求められます。
ネットワークエンジニアとしてのスペシャリストを目指すのはもちろんのこと、セキュリティスペシャリストなど他の技術領域でキャリアパスを築くことも可能です。
インフラエンジニアやクラウドエンジニアを目指すのも良いでしょう。
マネジメント・コンサル系のゼネラリスト
ゼネラリストとは、自身がプロジェクトリーダーなどに就き、プロジェクトを動かす管理職を担うことです。
コンサルティングやマネジメントに対して興味を持っている人におすすめです。
ネットワークについての基本的な知識はもちろんのこと、プロジェクトを円滑に動かしていくコミュニケーション能力や問題解決能力などが求められます。
他にも、プロジェクトメンバーがきちんと業務を遂行できるようなマネジメント力も必要になってきます。
ゼネラリストを目指すには、ある程度の現場経験とプロジェクトの流れの把握が大切です。
まとめ
ネットワークエンジニアは高いスキルや経験を持つ人材が求められる職種です。
ネットワークエンジニアとして年収を上げていくには、現場でのスキルだけでなく、コミュニケーション力や論理的思考力などといった総合的なスキルが求められます。
また、スキルがあると証明するためには、資格の取得も有効です。
資格を取得する場合は、eラーニングなどで効率的に勉強していくことをおすすめします。
CCNAに興味のある方は、『TECHHUB』のCCNA対策講座をおすすめします。
7日間の無料トライアルもあるので、お気軽にお問い合わせください。